Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)の最新アルバム『The Car』より、
リードトラックの「There’d Better Be A Mirrorball」について和訳し解説していく。
ミラーボールを何のメタファーとしているのか?
またそれによる独自の世界観を深掘っていく。
Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)とは
Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)はイギリスで結成されたバンドである。
詳細は以下のページを参考にしてほしい。
Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)はこれまでに通算6枚のアルバムをリリースしてきており、2022年10月21日には最新アルバム『The Car』をリリースした。
メンバーは以下の通り
- アレックス・ターナー(Vo./Gt.)
- ジェイミー・クック(Gt.)
- ニック・オマリー(Ba.)
- マット・ヘルダース(Dr.)
There’d Better Be A Mirrorball
Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)の最新曲「There’d Better Be A Mirrorball」は通算7作目となる最新アルバム『The Car』よりリード・シングルとして一足先に公開された。
本作は60年代のバラード風な楽曲と評されており、
またドラマーのマットが”6作目のTranquility Base Hotel & Casinoの延長上にある楽曲”と発言している事からも分かるように歌詞と曲調において前作の作風と共通点がある。
またMVボーカルのアレックス自身が監督を務めたMVからも、前作に近い雰囲気を感じる。
There’d Better Be A Mirrorball 和訳
Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)の楽曲「There’d Better Be A Mirrorball」について和訳し、解説していく。
Don’t get emotional, that ain’t like you
エモーショナルになる必要ない、君らしくない
Yesterday’s still leaking through the roof
昨日という日が屋根から雨漏りしている
That’s nothing new
それは目新しい現象ではない
I know I promised this is what I wouldn’t do
自分自身で望まないと決めたと認識している
Somehow giving it the old romantic fool
どうにか古きロマンティック・フールを与えたい
Seems to better suit the mood
このムードにぴったりではないか
So if you wanna walk me to the car
私を車まで連れてってくれるなら
You oughta know I’ll have a heavy heart
君は知るべきだ、私は暗い気分なんだ
So can we please be absolutely sure
だから絶対的な確信を持ってくれ
That there’s a mirrorball?
ミラーボールがあるのだろう?
You’re getting cynical and that won’t do
君は皮肉さな内面に秘めながら、それを表に出さない
I’d throw the rose tint back on the exploded view
すぐ後ろが燃えていたって、非常に楽観的だ
Darling, if I were you
愛する君よ、もしも私が君なら
And how’s that insatiable appetite?
どうやって飽くなき好奇心を満たそうか
For the moment whеn you look them in the eyеs
それらをひと目見た瞬間
And say, “Baby, it’s been nice”
君は言う、“これで良い”と
So do you wanna walk me to the car?
私を車まで連れてってくれないか
I’m sure to have a heavy heart
確かに、私は暗い気分なんだ
So can we please be absolutely sure
だから絶対的な確信を持ってくれ
That there’s a mirrorball for me?
私にはミラーボールが必要なのだ
Oh, there’d better be a mirrorball for me
ミラーボールがあるべきなのだ
There’d Better Be A Mirrorball 解説
Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)の最新曲「There’d Better Be A Mirrorball」が持つ独特な世界観を考察してみる。
まず歌詞のストーリーはある人間関係についてだと思われる。
そして抽象的であるから本当に人を指すのかが不明なのが興味深い。
そして歌詞に登場する独特なフレーズ、単語が更にこの世界観を拡張してくれる。
歌詞の中から、個人的に気になったフレーズをリストアップしてみた。
- Yesterday’s still leaking through the roof
- the old romantic fool
- heavy heart
- mirrorball
まず①に関して”昨日という日が屋根から雨漏りしている”というフレーズは詩として、
とても魅力的に感じた。昨日を”屋根で防ぎたい雨”と重ねているところが面白い。
②は若かりし頃に行っていたロマンティックなアプローチ、しかし今では愚かな事だと理解した上で行動に移す。というニュアンスが“the old romantic fool”という一言に込められているのが魅力的だ。
③は文字通り”心が重たい”というネガティブな感情を表すが、独特な言い回しや言葉に混じって”キーアイテム”のような存在感を感じた。
④の”ミラーボール”が何のメタファーであるのか?というのが「There’d Better Be A Mirrorball」という楽曲の最も味わい深いところではないだろうか。
この”ミラーボール”にはたくさんの解釈が出来るが、一説にはミラーボールがディスコやナイトクラブに設置されているものである事から、”関係を持った女性に対して最後にもう一度、踊らないか?とアプローチすること”を指すという解釈があるそうだ。
Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)のボーカルであるアレックスが書いたこの歌詞を読んで、抽象的なセリフと映像だけで語る映画を見せられているような気分になった。
そしてその世界観に対する解釈が別れるような「There’d Better Be A Mirrorball」の歌詞に非常に魅了された。
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