90sオルタナリバイバル
2022年は90sオルタナの遺伝子を持つバンドたちが多くの名作をリリースしている。
本記事では2022年にリリースされた次世代のオルタナを担うバンドとそのアルバムについて紹介していく。
2021年はポストパンク、2022年はオルタナ
2021年はblack midi、Squidをはじめ、ポストパンクのリバイバルが盛り上がっていた。
こちらの記事にまとめているので読んでほしい。
また2022年においても彼らは目まぐるしい活動を見せていた。
black midiは3rdアルバムをリリースし、Squidはサマソニでの来日を果たしている。
そんな彼らの話題で2022年も持ちきりであると思っていたが、そこに新たな勢力が現れた。
それが次世代オルタナ勢である。
特に彼らはソニック・ユースやダイナソー Jr.などの90sオルタナの血を濃く引いており、それが魅力である。
現代のオルタナ・ロックを担うバンド5選
現行のオルタナティブ・ロックのバンドについて紹介していく。
Dry Cleaning(ドライ・クリーニング)
Dry Cleaning(ドライ・クリーニング)はサウスロンドンのバンドである。
音楽性としてはポスト・パンクと言われているがオルタナティブ・ロックと捉えることも出来ると思う。
デビューアルバム『New Long Leg』に続いてセカンドアルバム『Stumpwork』を2022年10月にリリースした。
メンバーは以下の通り。
- フローレンス・ショウ(Gt./Vo.)
- トム・ダウズ(Gt.)
- ルイス・メイナード(Ba.)
- ニック・バクストン(Dr.)
Dry Cleaning(ドライ・クリーニング)というバンドの魅力はシンプルなバンドサウンドを主軸としている点だと思う。
このシンプルさが90’sオルタナ感を想起させる。特に重なるのはソニック・ユース(Sonic Youth)というバンドだ。
特にボーカルであるフローレンスの歌い方はキム・ゴードンのボーカルを意識しているようにも聴こえる。
Horsegirl(ホースガール)
Horsegirl(ホースガール)の奏でる音楽は大味すぎないインディーロックだと思う。
Horsegirl(ホースガール)は2022年にはデビュー・アルバム『Versions of Modern Performance』をリリースした。
メンバーは以下の通り。
- ペネロペ・ローウェンスタイン(Gt./Vo.)
- ノラ・チェン(Ba./Vo.)
- ジジ・リース(Dr.)
メンバーが3人というシンプルな構成、そしてベーシストがFender Bass Ⅵを使用しているのが特徴的である。
スリーピースのシンプルなバンドスタイル故に、結果としてオルタナ・ロックになった感が現行の音楽シーンでは新しいものに感じる。
Momma(マンマ)
Momma(マンマ)というバンドの音楽性はグランジと言われている。
2022年にMomma(マンマ)はサードアルバム『Household Name』をリリースしている。
メンバーは以下の二人。
- エタ・フリードマン(Gt./Vo.)
- アレグラ・ワインガーテン(Gt./Vo.)
- ザック・カプティフェントン(Dr.)
まず、現代のバンドがグランジをやってるということに驚く。
だからこのバンドからも90’sの香りがする。
だが良い意味でニルバーナとかほど荒々しさなどは無く、そういった意味の聴きやすさがあると思う。
だから本人たちは特にグランジであることにこだわりは無く、あくまで理想のサウンドを追求しているだけなのかと思った。
Sorry(ソーリー)
Sorry(ソーリー)の作る音楽はドリーム・ポップか?オルタナか?という雰囲気で捉えるのが妥当ではないだろうか。
2022年にはセカンド・アルバム『Anywhere but Here』をリリースした。
メンバーは以下の通り。
- アーシャ・ローレンツ
- ルイス・オブライエン
- キャンベル・バウム
- リンカーン・バレット
- マルコ・ピニ
メンバー全員が複数の楽器を扱えるマルチプレイヤーである。
よってSorry(ソーリー)というバンドは高い表現力を持っていると思われる。
音楽性としてはドリーム・ポップ、インディー・ポップ的な路線を感じさせつつも、楽曲はミニマルな気がする。
それ故、オルタナという枠で括っても良いかなと思った。
2020年代の人間が作る最新のオルタナと捉えても良いかと。
Wet Leg(ウェット・レッグ)
ここで番外的にWet Leg(ウェット・レッグ)についても触れさせてほしい。
Wet Leg(ウェット・レッグ)は2022年にデビュー・アルバム『Wet Leg』をリリースしている。
Wet Leg(ウェット・レッグ)はジャンルとしてはガレージ・ロックに分類されると思うが、オルタナという大枠で括った時に含まれる存在であっても良いか思った。
メンバーは次の二人である。
- リアン・ティーズデイル
- へスター・チャンバース
Wet Leg(ウェット・レッグ)の魅力は、現代において流行りではないガレージロック的アプローチをしている点に加えて少し笑えるシニカルな歌詞を歌う点だ。
そんなところがザ・ストロークスを彷彿をさせると言われたりもするが、その通りだと思う。
このようなWet Leg(ウェット・レッグ)の音楽性はシンプルなギターロックという点においてはオルタナと共通点があり、
2022年のオルタナ・ブームの文脈の片隅に存在しているバンドなのではないかと思った。
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