トム脱退後の新章Kasabian(カサビアン)をソニック・マニアで見た

Level:⭐️⭐️

2022年のSONIC MANIA。

マウンテン・ステージのトップバッターを飾ったのはKasabian(カサビアン)であった。

正直フロントマンを失ったバンドはもう終わりだと思っていて期待していなかった。

だが、初手の「Club Foot」から一気に心を掴まれた。

ライブ直後の感想がこんな感じ。

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カサビアンのボーカルを務めていたトム・ミーガン脱退

2020年にボーカルのトム・ミーガンが脱退した。

経緯としてはトムのDV有罪判決が原因であり、

それに伴いバンドのリーダーであるサージ・ピッツォーノが選択の余儀無く、脱退させたというものである。

そして以前までサブボーカル、作詞作曲などでバンドの中核を担ってきたサージがフロントマンとなった新体制で再始動を始めた。

新章カサビアン初となるアルバム『Alchemist’s Euphoria』

Kasabian(カサビアン)は最新アルバム『The Alchemist’s Euphoria』を 2022年8月5日にリリースした。

通算7作目となる今作の大きな特徴はやはり、

トム不在のKasabian(カサビアン)であるという点だ。

新ボーカルであるサージはアルバムについて

「このアルバムがこれまでのアルバムと違うと感じるのは、集まるべくして集まった楽曲による、一体感のある作品だ。」とコメントしている。

本作の作風としては前作『FOR CRYING OUT LOUD』と比較して暗めな雰囲気の内省的で抽象的な世界観に感じた。

そんなテーマの中でもトムの頃に劣ることの無い、

サージの力強いボーカルが魅力的だ。

そして声色は変わったが今までのカサビアンらしさを引き継いでいるところに感動した。

メンバーを失っても劣化することなく進化を見せてくれた。

かつてのAC/DCのボーカル交代劇のように

後世で「どっちのボーカルが好き?」なんて話を楽しみながらできるくらい、これからのカサビアンはサージ任せていけると思った。

新体制カサビアンのSONIC MANIA出演

引用;https://www.summersonic.com/sonicmania/

新体制カサビアンには特に期待していなかった。

ボーカルを失ったバンドなど死んだようなものだと思っていたからだ。

可能な事なら何年後かにトムが復帰して欲しくて、

今までのカサビアンを見せて欲しいと思っていた。

それくらい自分の中で過去のバンド認定してしまっていたのだ。

もちろん新作のアルバムも聴いていなかった。

だから時間潰しのテンションでソニック・マニアでのパフォーマンスを見た。

引用;https://www.summersonic.com/2022live/detail/kasabian/#galleryMain

だが始まりのClub footのリフで胸が高鳴った。

そこで、やはりカサビアンのファンである事を思い出した。

やっぱり好きなんだなと。

暗闇が開けて見えてきたのは新フロントマンのサージであった。

引用;https://www.summersonic.com/2022live/detail/kasabian/#galleryMain

そして歌声を聴いた瞬間から

「これは今までと変わりない最高のカサビアンだ」と一瞬で気付かされた。

よく考えると、確かに今までも作詞作曲に携わり、

バックボーカルを務めていたのだから出来てもおかしくはないのだが、

ライブでの歌声を聴かされたことでやっと、トムが不在のカサビアンを受け入れ、肯定出来たのだ。

サージ率いる新生カサビアンの虜となり、

同時にトムが居た頃のナンバーにはトムの面影を感じる気がした。

それくらいトムの作り上げた世界観を引き継ぐ努力もサージはしているのだろう。

トムを失ったことはバンドとしてのアクシデントだったかもしれないが、そこも含めてカサビアンというバンドの歩む歴史を追い続けたいと思った。

SONIC MANIA出演:セットリスト

  1. Club Foot
  2. Ⅲ Ray
  3. Under dog
  4. CHEMICALS
  5. eez-eh
  6. You’re in Love With a Psycho
  7. SCRIPTVRE
  8. stevie
  9. THE WALL
  10. Pinch Roller
  11. treat
  12. Empire
  13. Bless This Acid House
  14. Vlad the Impaler
  15. L.S.F
  16. Fire

また今回の来日ではThe Musicのロブがメンバーとしてギターを弾いており、

The Music時代の名曲「The People」のワンフレーズも披露した。

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