ホワイトアルバムチャレンジとは
プロデューサーであるジョージ・マーティンは、ホワイトアルバムを2枚組では無く、1枚のアルバムにするように提案したと言われている。
しかしメンバーの意向で現在の2枚組の長編としてリリースされた。
もし1枚組の作品だったらどの曲がどの様な順番で構成されていたのだろうか?というのがホワイトアルバムチャレンジである。
海外のサイトなどで有名な企画であり、みのミュージックでも取り上げられてるこの企画に挑戦していく。
でも苦言を呈したい!
みんな安パイなチョイスし過ぎじゃない?捨て曲を削って短縮版のホワイトアルバムを作るみたいになってない?
だから”Back In The U.S.S.R. ”や”Yer Blues”はみんな入れてるみたいな感じ。
もちろん、それが現実的なシミュレーションなのだが俺はこの贅沢な素材を使ってホワイトアルバムの世界観を保ちつつも新しい表情も見えるような、画期的なものを作ってやるぞ!
挑戦者は「メンバーそれぞれが作った曲から均等に」など、独自にルールを決めて行われる。
私は通常のホワイトアルバムとは違う表情が見えるようなアルバムにしたいので自由度を高くする為、ルール次の一点だけにした。
・レコードの1枚目と2枚目それぞれのA面B面、それぞれ4セクションの再生時間の平均値に収まる様に曲を選曲する。
(1478秒+1356秒+1364秒+1469秒)÷4=1416.75秒
よってA面B面をそれぞれ1417秒程度になるように選曲します。
私のホワイトアルバムはこちら!
- A面
- B面
A面
- Revolution 9
- Revolution 1
- Glass Onion
- While My Guitar Gently Weeps
- Don’t Pass Me By
B面
- Back In The U.S.S.R.
- Dear Prudence
- Happiness Is A Warm Gun
- Helter Skelter
- Yer Blues
- Honey Pie
- Martha My Dear
- Savoy Truffle
解説;A面
奇抜な事をしたかっただけなのかも知れない。
だが私はあえてこうしようと思う。”Revolution 9”を壮大なイントロとして使う事にした。
最初からプログレの中盤かと思うほどの世界観に突き落としてやるのだ。
およそ8分間のカオスの中を抜けた後、ようやく答えとして”Revolution 1”に出会うことが出来る。
混沌の渦巻く世界に対する一つの答えだ。
そして2ヒットのスネアの音でホワイトアルバムが様々な面を見せ始める。
大層、大仰な始まり方をしたくせに”Glass Onion”で「意味なんて無いよ」と言わんばかりに突き放されるのだ。
メロウな”While My Guitar Gently Weeps”を通ってA面最後の”Don’t Pass Me By”。
カオスを抜けて安全地帯に辿り着いた様な安心感。
合計;1407秒
解説;B面
”Back In The U.S.S.R. ”のジェット音で始まり、そのままジェット音で”Dear Prudence”に突入する流れを分断することは出来なかった。
でもホワイトアルバムにおいて、この印象が強いからこそA面の最初には意地でも持っていきたくなかった。
一枚組になったホワイトアルバムに滑らかな緩急を楽しむ余裕は無い。
すぐさま”Happiness Is A Warm Gun”によって不穏な世界に再び突入だ。不気味な拍数、不気味なボーカルを抜けたら、”Helter Skelter”でヘビィなシャウトだ。怒りなどの感情を直接吐き出せる。
その分は不穏さからは解放される。だが最後にもう一度だけ”Yer Blues”陰鬱な自殺志願者の世界を覗こう。彼もダークに怒ってる。
一枚組になったホワイトアルバムにはもう終幕が近づいている。元いた世界に戻らないと行けない。
その帰り道を用意した。”Honey Pie”でまず落ち着こう。もう怖いものは来ない。純粋に美しい曲だ。
”Martha My Dear”のころには安らかな気分になれるだろう。
最後は”Savoy Truffle ”に見送られながらホワイトアルバムの旅は終わりたい。賑やかに手を振ってくれてるような曲だ。
アルバム”Abbey Road”アビーロードの最後から2番目の曲(実質最後の曲?)の”The End”的な役割を担って欲しいと思い、アルバム最後の曲に配置した。終わりのファンファーレ的な役割だ。
合計;1456秒
総評
悩んだ末に決めたA面だが”Don’t Pass Me By”だけ浮いてる様な感じも否めない。
無理矢理、最後っぽい曲を詰め込んでしまった感はある。
このホワイトアルバムチャレンジの難しい点は好きな曲を選び切れないという点と曲順だ。
実際、”Birthday ”はとてもお気に入りの曲なのだが他にチョイスした曲との兼ね合いを考えるとどこに入れたら良いのか分からなくなり、選曲から外した。
それでも全体的に曲の雰囲気が急降下、急上昇みたいな、アルバムの展開が唐突になってしまってるのは否めない。
時間を掛けて挑んだが、完璧に納得出来ているわけではない。
やはり元の状態から曲を削る以上、多面的な世界観を持つホワイトアルバムのどこかしらの要素は削る事になってしまう。
そして画期的なものを作るとデカイ口を叩きながらもやっぱり名曲達は切れなかった。
ホワイトアルバムチャレンジは曲を抜粋し、それらのパーツを使ってどんな世界観のアルバムを作るのか。これを考えるのが楽しかったし、永遠に答えが出ないくらい難しかった。
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