第10位:While My Guitar Gently Weeps
”While My Guitar Gently Weeps”はギターにエリック・クラプトンが参加していることで有名であるが、まずそのフレーズが美しいことが評価ポイントである。
クラプトンがしっかり主張しながらもうまく溶け込み、ビートルズのホワイトアルバムの世界観に存在しているというのがこの曲の完成度の高さだと思う。
個人的に ”While My Guitar Gently Weeps”が『ホワイトアルバム』の中で担っている役目は大きく、もし欠けていれば若干なりとも『ホワイトアルバム』の印象は変わっていたと思う。
第9位:Birthday
”Birthday”は実験的サウンドに傾倒していた『ホワイトアルバム』期の曲にも関わらずロックンロール調の曲であることが珍しい。
同じく『ホワイトアルバム』には先に述べた”Revolution 1”がロックンロールとして存在しているが、”Birthday”は異色のそれである。
歪んだギターでのリフを前面に出し、ボーカルはシャウトというよりは「がなり声」のようで、しかもテーマは「お誕生日について」ということであり、この曲はビートルズが『ホワイトアルバム』における解釈をした「ふざけたロックンロール」であると思う。
第8位:Don’t Let Me Down
”Don’t Let Me Down”は解散直前の頃行われた「ルーフトップ・コンサート」のイメージが強い人が多いと思う。
私もそうであり”Don’t Let Me Down”(失望させないでくれ)というのが当時のバンドの分裂のムードと重なってる様にも思えて、ビートルズの最後を印象付ける楽曲である。
そんなかでもルーフトップでの演奏はバンドとしての一体感がある様にも思えて心に響くものがある。
第7位:Dear Prudence
”Dear Prudence”のイントロのギターアルペジオはホワイトアルバムの「顔」の様な存在であると思う。
『ホワイトアルバム』1曲目の”Back In The U.S.S.R.”の勢いの終着点は2曲目の”Dear Prudence”のイントロであり、ここから『ホワイトアルバム』の深淵の世界が始まるような印象を受ける。
第6位:Bad Boy
”Bad Boy”はビートルズのディスコグラフィーにおいて、とてもマニアックかもしれない。
”Bad Boy”は彼らのオリジナルではなくラリー・ウィリアムズのカバー曲である。
カバーをこのランキングに入れるのは、どうかとも思うが、私はベスト盤『ブラックアルバム』収録のこの曲でビートルズに目覚めた稀有な存在で、とても思い入れがあるのだ。
第5位:Something
”Something”はアルバム『アビーロード』収録のジョージ・ハリスンの才能が光る楽曲だ。
ビートルズの中で遅咲きの才能であるが、この”Something”はジョンでもポールでも生み出す事のできなかった。「退屈ではない渋さ」の様なものがあると思う。
第4位:Octopus’s Garden
”Octopus’s Garden”の好きなところは「タコのお庭」というファンタジーすぎる世界観と、そのファンタジーを作り上げるリンゴのボーカルだ。
個人的にリンゴのボーカルが好きで”Yellow Submarine”でもファンタジーを歌っており「物語の語手」の様な声だと思う。
第3位:Glass Onion
”Glass Onion”のまず好きなところは始まりの「スネア2発」のところ。
そして「今までの歌詞に意味なんて全く無い」というジョンの捻くれた歌詞の存在は、ビートルズの歌詞を読み解いて行く上で重要である。
ビートルズの歌詞(特にジョンの歌詞)に押し付けがましい意味や思想などは無く、意味は聴いた側が自分達で見出せ!というメッセージなのだ。
第2位:Get Back
”Get Back”という言葉は直訳すると「元いた場所に戻る」であるが、それがバンドが崩壊する時期に生まれたというのが感慨深い。
”Get Back”を生み出したポールは最後の方までバンドの存続を願い、ゲットバック・セッションにおける活動初期の様なやり方でのレコーディング方法など、とにかく「うまく行っていた昔の関係に戻ろう」としていた。
それでもダメで解散してしまったが残された”Get Back”という楽曲はとても前向きだ。
第1位:Come Together
”Come Together”の優れている点は曲の「唯一性」である。
ビートルズが活動していた頃から現代まで見てみても”Come Together”っぽい曲というのは見当たらない。
その唯一性とは「独自の世界観を生み出すベースライン」と「不穏な歌詞」だと思う。
ダークな世界観をベースリフと聞き取りにくい”Shoot him!”が作り上げ、その「打て!」が何を意味しているのかが不気味なのだ。
そんなところが魅力的だ。
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