サイケデリックロックとは
始めに一般的なサイケデリックロックの定義ついて紹介する。
Wikipediaを引用した以下の表現が一番分かりやすいだろう。
サイケデリック・ロック(英: psychedelic rock)は、1960年代後半に発生し流行したロック音楽の派生ジャンル。主に、LSDなどのドラッグによる幻覚を、ロックとして再現した音楽のことを指す。
引用;https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF
私個人の言葉で分かりやすく表現するならば「リバーブのかかったボーカルと異国の宗教のような不思議なサウンドが絡み合ってる音楽」だと思う。
非常に抽象的な表現だがこれで興味を持ってくれると嬉しい。
そして私個人、このジャンルは洋楽に対して苦手意識を持つ方への洋楽入門として最適だと思う。
特に後述する現代サイケから入れば抵抗感無く、音楽の世界観を楽しめると思う。
また、サイケデリックロックは古くからあるジャンルなので現在、世界中にある音楽のルーツの一部と言っても過言ではない。
洋楽食わず嫌いの人はここから楽しい洋楽ライフが始まるかも!
現代サイケ
先ほども述べたようにサイケデリックロックは1960年代後半に生まれたムーブメントであり、古いものだ。
その為、その頃の曲を聴いても現代人の我々からすると物足りなく感じるだろう。
原因としては様々あると思うがシンプルにレコーディング技術と音楽の再生環境、そして楽器。
この3点の技術的な精度が今より全く異なるものだからだと思う。
だから最初は現代的なサウンドで作られたサイケデリックロックから聴いていこう。
現代サイケとはおおよそ2000年代付近から現在まで活躍しているアーティスト達の奏でるサイケデリックロックだ。
1960年代頃の源流のサイケを正統に継承しつつも音がギラギラしており、リバーブ感もとても深い。
現代の技術故に実現できた高濃度の音像を体験できる。
そして「現代サイケのどれから聞けば良いか分からない」というあなたの為に手順も紹介しましょう!
これから紹介する順番で聴いてほしい。この順番で聴けばサイケデリックロックとはどんなものか、その感覚は掴めるはずです。
Tame Impala – The Less I Know The Better
一曲目は現代サイケの雄、テームインパラのこの曲。
特徴的なベースのメインリフがギュルギュル鳴る中、突き抜けるようなボーカル。
そしてよく聴いてみると何層にも音が重ねれており、キラキラな涼しげな音も入っている。
激しいのにクールな印象を受ける。
MGMT – When You Die
二曲目はMGMT。純粋なサイケ色が強く出てるこの曲をチョイスした。
深みのある音像で世界観を表現するサイケデリックロックだが、どこかミニマルなのが彼らの特徴だろう。
それはシンセサイザーを中心としてサイケを表現し、ドラムを除くその他の楽器はあまり表に出さないようにしているからではないかと思う。
Temples – Shelter Song
三曲目はTemplesのこの曲。
既に紹介した二つのバンドと比べて、シンプルなバンドサウンドに重きを置いてサイケを表現しているのがこのバンドの特徴。
そのため、現代サイケの中でもより源流に近い。
シンセサイザーや強い歪みを掛けたベースなどはあまり見られず、リバーブがかったボーカルとバンド名通り寺院の様なサウンドが絡み合った曲だ。
源流サイケ
一般的にこの様な言葉は使われないが本記事では現代サイケに対して、1960年代後半頃のものを源流サイケと呼ぶこととする。
先にも述べたが時代を逆行した見方をすると、技術面で縛りがある状態でのサイケ表現だ。
リバーブや歪みをかける機材は今ほど充実した物は無く、シンセサイザーはおそらく存在すらしていない。
この環境で当時のミュージシャンたちはどの様にサイケデリックを表現したのか見ていこう。
そして源流サイケの中でも有名どころの聴きやすい曲を紹介していく。
The Beatles – She Said She Said
サイケデリックロック誕生のきっかけに寄与していると言われているのがビートルズのリボルバーというアルバムだ。
その中でも特にサイケ色剥き出しのこの曲をチョイスした。
眠たげなボヤッとしたボーカルにギラついたギターサウンドが魅力だ。
The Beatles – Lucy In The Sky With Diamonds
源流サイケに関してはビートルズのサージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドというアルバムにも触れなくてはならない。
サイケデリックロック誕生のきっかけとなったリボルバーに対して、こちらはサイケデリックロックを大成させた作品である。
この時代のサイケの最高傑作と呼ばれるこちらはカラフルなサイケワールドに誘ってくれる。
そしてその中でも”Lucy In The Sky With Diamonds”という曲は頭文字を取るとLSDとなることで有名だ。
まさにサイケデリックロックの代表曲なのだ。
ファンタジーな歌詞と重ねられたコーラスなどがサイケデリックな世界を作り出している。
The Doors – Light My Fire
ダークな歌声と鍵盤を中心に奏でられるサイケだ。
作り込まれたメロディは口ずさみやすく、頭に残るものだが煌びやかなだけでは無いどこか物悲しい世界観を漂わせている。
そして終盤の鍵盤ソロによって世界観は深くまで拡張される。
Pink Floyd – Lucifer Sam
ギターはほとんどクリーン。
だが、曲内に効果的に配置されてるそのサウンドはサイケデリックな世界を描く一つの要素だ。
そして時折、何重にも重なるボーカルによってサイケを表現している。
サイケ入門プレイリスト
今回紹介した曲を中心にプレイリストを作りました。
ぜひ聴いていただけたら幸いです。
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