メリット
レコードとCD音楽を聴くメリットは一言でいうと「音楽の世界により深く没入できる」という点だと思う。
音楽は曲を聴くだけでなくレコードの見開きやCDのジャケットなどの物理的な面からも楽しめるのだ。
アルバムジャケットを通して作品を深く味わうことができる
アルバムのジャケットは確かにサブスクでも見れる。
しかしそれは表面の表紙だけである。
例えばこのアルバムの見開きがこうなってることを皆さんは知っていただろうか。
これはアルバムジャケットといえば最も有名と言っても過言ではない「クリムゾン・キングの宮殿」”In The Court Of The Crimson King”のジャケットの見開きである。
なんともう一人不気味な男の絵が書いてあるのだ。
これを見てからまた楽曲を聴くとその世界観が更に拡張され、より深くまで作品に没入することができるのだ。
製作時のフォーマットで聴くことで作者の表現の意図を汲み取ることが出来る
こちらのプログレ入門の記事でも書いたがプログレッシブロックの成立には当時のフォーマットであるレコードの存在が不可欠であったと思う。
つまり、どう聴かれるか?どう聴かせたいか?ということをアーティスト側はフォーマットの縛りの中で常に考えているはずなのである。
レコードであればA面の始まりはこの曲。2度目のスタートであるB面の始まりはこの曲にしよう。だとか。
CDであれば車のカーステレオでの聴かれ方を意識した曲順や楽曲構成になっていたりするのではないだろうか。音楽の貸し借りという文化もCDの時代によく行われていたそうだ。
そうなれば歌詞カードやプラケースの内側のデザインなどはこだわりが出て来て当然だろう。
例えばこちらはMGMTというアーティストの”Congratulations”というアルバムであるがCDの歌詞カードには特徴的なアートワークが施されており、中でもこの「アナログな音響機器」と「タマゴ」の写真が個人的に好きで印象深い。
デメリット
こちらはとてもシンプルだ。
「実際の物を集める」という点において多少の労力は掛かってしまう。
そこはサブスクやストリーミングに大きく劣るだろう。
お金がかかる
今の時代、Apple MusicやSpotifyなどのサブスクリプションを使えば月額1000円弱で大抵の音楽を好きなだけ聴く事ができる。
だから現代人にとって「音楽を聴くこと」はそれほど贅沢な事ではない。
一方、レコードやCDを集めるというのはサブスクに比べると贅沢な行為だ。
しかもレコードプレーヤーやスピーカーなどの再生環境まで整えなくてはならない。
しかしだからこそアルバム一枚一枚に愛着が沸いたりもする。
そしてたくさんレコードショップを巡って安くて欲しかった一枚を発掘する遊びは現代のリアル宝探しだ。
要はこの「お金がかかるというデメリット」に対しては個人個人が程よい付き合い方をしていけば良いと思う。
そしてその先に見える忘れていた音楽の本質的な楽しみ方は安い物を大量消費する社会へのアンチテーゼの様にも感じてくる。
場所を取る
ミニマリストという言葉があるくらい現代では「物を所持する事」への価値が無くなってきているが、レコード、CD集めはその時代の流れに逆行する行為だ。
だがコレクター癖のある私にとっては家中がそれらに覆い尽くされていくという事が快感でもある。
まとめ
お金をかかるがより深く音楽の世界を楽しめるのでオススメ。
合理的では無いが感情的に楽しくて幸せな趣味なのだ。
そして今回の記事は決してサブスクを否定する物ではない。
私自身、デジタルネイティブ世代としてがっつりサブスクを使い回していくつもりだ。
私は様々なフォーマットを駆使して音楽をより深く堪能していきたいのである。
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