マイケル・ジャクソンとは
マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)はアメリカ出身のミュージシャンである。
“キング・オブ・ポップ”という肩書を持ち、“ビートルズの次に世界で最も売れたアーティスト”である。
本記事で扱うアルバム:『スリラー』(Thriller)は世界で7000万枚以上の売り上げの末、“世界で最も売れたアルバム”となった。
アーティストとしての活動は幼少期のジャクソン5から始まっており、青年期のジャクソンズを経てソロで大きな成功を収めた。
ソロでのファースト・アルバムは『Off The Wall』はソウルやファンクの色が強く、マイケルの音楽性はそこからキャリアを経るごとに拡張、発展していき、やがて“キング・オブ・ポップ”となるのである。
90年代以降は様々なスキャンダルにまみれ、2009年に他界している。
なお真偽不明のスキャンダルについて詮索するのはナンセンスだと思う。
アルバム:『スリラー』(Thriller)
マイケル・ジャクソンの『スリラー』は先にも述べたようにマイケルのキャリアで見ても歴史的に見ても最も売れたアルバムである。
『スリラー』(Thriller)の凄さ
このアルバムの最大評価ポイントは“マイケルによるブラック・ミュージックのポップへの昇華”だと思う。
既に述べた様に前作『Off The Wall』ではファンクなどのブラック・ミュージックの様々な文脈からのアプローチがなされている様に思える。
そしてマイケルによる『Off The Wall』はそれらの文脈での最高傑作と言える。
それを踏まえての次作『スリラー』でマイケルは新たな音楽的挑戦が求められていたのではないだろうか。
そしてその成功による“キング・オブ・ポップ”の称号獲得と言えよう。
収録されている名曲
『スリラー』にはマイケルが世に放ったヒット曲が多く収録されている。
- 「Wanna Be Startin’ Somethin’」
- 「Thriller」
- 「Beat It」
- 「Billie Jean」
これらの楽曲はマイケルのキャリアとしても当時、新鮮であり世界的にもシングルとして大ヒットした。
Wanna Be Startin’ Somethin’
「Wanna Be Startin’ Somethin’」はリズミカルなビートが印象的な“何か新しいことを始めよう”というテーマの楽曲。
アルバム『スリラー』の1曲目であり、様々なベスト盤でも1曲目を飾る事が多く、そういった意味でも“始まりのアンセム”として扱われる。
Thriller
アルバム『スリラー』と同名タイトルの楽曲。
グルービーなリフが特徴的であり曲としての完成度が高い事はもちろんだが、注目すべきはMVである。
「Thriller」のMVは1999年にMTVによる「今まで作られたビデオの中で最も偉大なベスト100」というランキングで1位に輝いている。
何故、そこまで評価されているのだろうか。
それは当時、前例が無い程の規模感で作られた革新的なMVであるからだ。
具体的には次の3点である。
- 高額の製作費(他のアーティストの10倍以上)
- 13分という長さ
- 短編映画の様な作り込まれたストーリー
Beat It
「Beat It」もMVが有名である。
ギャングの抗争を仲裁し一緒に踊るという“争いを好まない”マイケルの人間性が現れたようなストーリーである。
また“Beat It”という言葉は本来、“打ち負かす”という意味の言葉である。
しかし歌詞では“敵から逃げてしまうこと”=“Beat It”という様に表現しており、ここでも“戦う以外の選択肢がある”というマイケルの平和主義者的思想が見えるのがこの曲の魅力だ。
Billie Jean
「Billie Jean」はスキャンダラスな歌詞が魅力的な楽曲である。
ベースラインが特徴的な曲であり、MVでは歩みを進めるマイケルの足元が光っていくのが印象的だ。
また、マイケルが初めてムーン・ウォークを披露した時の曲でもある。
大物ミュージシャンとの共作
アルバム『スリラー』の制作には次の大物ミュージシャンが参加しており、アルバム内での彼らの仕事はとても大きい。
これはマイケルが全てを一人で完結させられる音楽的マルチプレイヤーで無かった事が功を奏したと言えるのかもしれない。
ポール・マッカートニー
アルバム『スリラー』の収録曲「The Girl Is Mine」でマイケルとのデュエットで参加している。
二回りほど年上で、しかもあのビートルズのポール・マッカートニーとのコラボであるが、どちらかによる一方的な物ではなく、お互いの良さが感じられる良作となっている。
また、同時期に「Say Say Say」という楽曲でも共作しているが、そちらの出来も素晴らしい。
エディ・ヴァン・ヘイレン
ヴァン・ヘイレンのエディ・ヴァン・ヘイレンは「Beat It」のギターソロを弾いている。
この「Beat It」のギターソロはギターキッズが一度は真似したくなる程の“名フレーズ”として後世に語られる事になる。
先の解説で「Beat It」の素晴らしさを説明したがこのエディのギターソロが無ければ、ここまでの完成度では無かったと思う。
それほどマイケルのロック的アプローチにおいて大きく貢献しているエッセンスなのだ。
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